10年特例制度 - 土地の取得費用を安く抑える方法

10年特例制度とは?
皆さんがお住まいのお土地は大きく分けて下記の3つの種類があります。
  1. 市街化区域
  2. 市街化調整区域
  3. 非線引き区域(上記のどちらとも定められてない区域)

おそらく皆さんがお住まいのお土地に該当する可能性が一番高いのは市街化区域だと思います。
それもそのはず、市街化調整区域が原則として住宅やアパート、マンションなど建物全般が建てられない区域と定められているからなんです。
対して市街化区域は誰でも家が建てられる区域です。ただし市街化調整区域のお土地と比べてお値段もグッと高くなります。

「それなら、家を建てるなら市街化区域の土地を買わなきゃダメなの?」とお思いの方もいらっしゃると思いますが、実は条件さえ満たせば市街化調整区域でも住宅が建てられる可能性があるお得な特例が存在しますので、ご紹介させていただきます。

10年特例制度

10年特例制度の条件

10年特例制度はなぜお得なのでしょうか?答えは簡単!市街化調整区域で家が建てられるため、お土地の取得費が抑えられるからです。実はこの制度は意外や意外、きっかけは農家さん達の利便性を考えてのものでした。蛇足になるのでこの場は省略しますが、上手い話にはもちろん条件がつきます。ただでさえ市街化が抑制されている市街化調整区域ですので条件もそれなりのものです。

10年特例制度 条件

この条件を見れば10年特例という名前の由来がすぐ分かりますね。長い間、その地域に土着されてらっしゃった方が受けられる恩恵と考えて良いでしょう。ただ、こういった法令の文章は我々不動産業者から見ても「?」となってしまう堅苦しい文章が多いので詳しく御説明いたします。

【①.建築予定のお土地が存在する大字内または隣接大字に10年以上生活していた方】
10年特例制度 大字実際の大字同士の関係は右の図ほど簡潔ではありません。大字の名前もあくまで仮名になります。それでは中央にお住まいの峰岸さんの場合です。この場合、峰岸さんが中央に10年以上生活していれば、隣接している周りの8つの大字の市街化調整区域で住宅を建築することは可能となります。ただし、あくまで10年以上お住まいの大字に隣接した大字でなくてはなりません。東町を挟んだ向こう側にある大字の更二東では制度の対象にはならないのです。
【②.区域確定前に建築予定のお土地が存在する大字内または隣接大字に本籍もしくは住所を置いていた方】
市町名 区域確定日
取手市 昭和45年7月
龍ケ崎市 昭和45年11月
つくば市 昭和48年12月
土浦市 昭和46年3月
阿見町 昭和46年3月
つくばみらい市 昭和45年7月
昭和54年10月
水戸市 昭和46年3月
※つくばみらい市に関しては旧谷和原町、旧伊奈町で時期が異なる為2つの確定日となります。
隣接の大字については①の通りですが、この②で気になるのが区域確定前というワードです。不動産用語では一般的に線引きと言われるものですが、最初に御説明した市街化区域・市街化調整区域と呼ばれる区域を確定する事を言います。従って、この線引きが行われていないお土地が非線引き区域と呼ばれます。少しややこしいのは、この区域確定は行われた時期が行政によってまばらな事です。各行政の時期の差が分かると思います。 ただ、例えば取手市の場合は区域確定前から本籍もしくは住所を置いていた方となると平成29年現在47歳以上の方となり30代等の若い年代の方は対象となりません。「区域確定日より後に生まれたから自分には関係ないや!」とお思いの方はお待ち下さい。この②の条件に大きく関わってくるのが次の③です。
【③.②に該当する方の2親等以内の血族または1親等の姻族】
2親等以内の血族または1親等の姻族

「2親等」とは、建築主ご本人様または配偶者様から見て2代隔てた関係にある方を指します。右の図はご本人様から見た2親等以内のご親族です。要するに、この中に②に該当する方がいらっしゃれば条件を満たす事になり、若い年代の方でも対象になりえるのです。「姻族」とは、婚姻によって出来た親戚の事を指します。この場合、ご本人様からみた1親等の姻族とは配偶者様のご父母様です。以上が、建築主様に課せられる条件です。続いては建築予定地に課せられる条件について見てみましょう。

お土地の条件(いずれかに該当すれば可)

  1. 建築予定のお土地の面積が200㎡以上500㎡未満であること(建物面積は200㎡以下)
  2. 既存の集落の中に存在し、70m未満の敷地間隔で40戸以上の建築物が存在すること(40戸連坦)
  3. ご本人が居住する1戸建て住宅であること
連坦先ほどの建築主様の条件に比べると少し分かりやすくなっていますが、②の40戸連坦に関しては聞き覚えがない方もいらっしゃると思いますのでご説明いたします。まず、連坦とは建物が建っている区画をまたいで建築物または街区が繋がっている事を指します。では②の条件をおさらいすると、70m未満の敷地間隔で40戸以上の建築物がある事が条件です。既存集落の中で、右の図のように40戸以上の連坦があれば制度の対象となりえます。

掻い摘んだ情報になりますがお得な特例情報としては以上になります。住宅建築用地をお探しの方ならお分かりの通りお土地のお値段は、このようになります。

10年特例制度 値段
家族ただ、だからこそ条件さえ合えばお得に住宅用地を取得出来るチャンスがあります。なお、残念ながらご説明させて頂いた条件であれば絶対に家が建つ訳ではありません。条件を満たし、各行政に申請をしていただいて初めて建築可能かどうかが分かります。詳しい情報やお持ちのお土地が建築可能かお尋ねされたい場合は、是非弊社に電話もしくはメールにてお問い合わせください!皆さんの素敵なマイホーム作りを心より応援しております!

担当 平和田 健二(弊社 宅地建物取引士)